HISTORY - IXC
HISTORY

時代を超えるデザインと革新の精神
—IXC誕生に至る50年の歩み

時代を超える
デザインと革新の精神
—IXC誕生に至る50年の歩み

A Connoisseur’s Journey

「“コネッスール” とは“目利き”や“選択眼のある人”のこと。
家具は手軽に買い換えられるものではない。
じっくり時間をかけて選び、
その過程を楽しむことが、コネッスールになる方法だろう。」 
—— 武藤重遠

「“コネッスール” とは“目利き”や“選択眼のある人”のこと。家具は手軽に買い換えられるものではない。じっくり時間をかけて選び、その過程を楽しむことが、コネッスールになる方法だろう。」
—— 武藤重遠

Non Omnis Moriar
SHIGETO MUTO
1947 – 2004

カッシーナ・イクスシー創業者。
慶應義塾大卒業後、1975年インテ
リアビジネスを開始。2004年没。

カッシーナ・イクスシー創業者。
慶應義塾大卒業後、1975年インテ
リアビジネスを開始。2004年没。

IXC(イクスシー)への物語は、
「デザインは暮らしを豊かにする文化である」という創業者・武藤重遠の信念から始まりました。
彼はヨーロッパの優れたデザインを日本に紹介し、
マリオ・ベリーニやフィリップ・スタルクら世界的デザイナーと深い絆を築きました。
ここに、国境を超えた創造の対話が芽生えます。

IXC(イクスシー)への物語は、「デザインは暮らしを豊かにする文化である」という創業者・武藤重遠の信念から始まりました。彼はヨーロッパの優れたデザインを日本に紹介し、マリオ・ベリーニやフィリップ・スタルクら世界的デザイナーと深い絆を築きました。ここに、国境を超えた創造の対話が芽生えます。

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1975–1989

モダンデザインへの挑戦

Foundations of Modern Living

武藤の挑戦は、未知のモダンファニチャーを日本に届けることでした。
それは単なる輸入ではなく、未来の暮らしを形づくる文化的な試みでもありました。
世界的デザイナーたちとの交流は、
「自由に未来をデザインする精神」を日本の暮らしに息づかせていきました。
武藤の挑戦は、未知のモダンファニチャーを日本に届けることでした。それは単なる輸入ではなく、未来の暮らしを形づくる文化的な試みでもありました。世界的デザイナーたちとの交流は、「自由に未来をデザインする精神」を日本の暮らしに息づかせていきました。
INTER-DECOR SHOWROOM
designed by MARIO BELLEINI
1975
武藤重遠が「旭交易(株)インテリア分室」として
輸入家具ビジネスを開始
武藤重遠が
輸入家具ビジネスを開始
1970年代、日本ではまだ“モダンデザイン”という概念が浸透していませんでした。武藤は、「日本の暮らしに世界のデザイン文化を根づかせたい」という思いから輸入業を開始します。
武藤が某企業の赤坂プリンスホテルで当時のCassinaの社長であるロドリゴロドリゲスを待ち伏せし、その場で思いを伝え、取扱合意までこじつけたエピソード。ある人物からの情報で、その時間にホテルにいると。
当時の取扱ブランド
・MOBEL ITALIA
・CINOVA
・SIMON INTERNATIONAL
・ZANOTTA
・BONACINA
LIMA
TITO AGNOLI
TULU
KAZUHIDE TAKAHAMA
1977
Cassina S.p.A と日本での取扱い基本合意
Cassina S.p.A と日本での
取扱い基本合意
初めて〈LC2〉に触れた瞬間、その理性と感性が共存する造形に心を奪われた。「このデザインを日本に紹介したい」──そう強く願った武藤は、当時のカッシーナ社長ロドリゴ・ロドリゲスに会う機会を探し、赤坂プリンスホテルで彼を待ち伏せして直談判をしたという逸話が残っています。その熱意が通じ、カッシーナ製品の取扱い合意へとつながっていきました。
1980
株式会社カザテックとして
デザインコンサルティング業を開始
株式会社カザテックとして
デザインコンサルティング業
を開始
1980年、武藤は家具の販売にとどまらず、空間全体を提案するために株式会社カザテックを設立しました。建築・インテリア・プロダクトを横断的に結びつける「トータルデザイン・コンサルティング」を掲げ、暮らしそのものをデザインする新たな試みに挑みました。国内外の建築家やデザイナーと協働し、文化を越えた価値観を取り入れることで、日本のデザインに新たな息吹をもたらしました。カザテックは、空間と暮らしを結ぶデザインコンサルティングの先駆けとして、その礎を築いていきます。
1981
インターデコールショールームを
AXISビルへ移転
インターデコール
ショールームを
AXISビルへ移転
カッシーナ青山ショールームの設計を国内のデザイナーに依頼しましたが、思い描く理想の空間に届かず悩んでいたところ、カッシーナ社長ロドリゴ・ロドリゲスの紹介でイタリアの建築家マリオ・ベリーニが起用されました。ベリーニは床・壁・天井を大量のパーティクルボードで構成し、素材の統一感と光の美しさが際立つ革新的なショールームを完成させました。この空間は当時のデザイン誌『DOMUS』にも掲載され、大きな注目を集めました。この成功をきっかけに、武藤は海外デザイナーとの協働による空間プロデュース事業〈カザテック〉を本格的に展開していきました。
二川幸夫氏によるAXISビルSHOWROOM 写真
当時のDOMSの新聞
MARIO BELLINI
1935 –

1935年、イタリア・ミラノ生まれ。オリベッティ社やカッシーナ社などで数々の名作を手がけ、建築・家具・照明といった幅広い分野で現代デザインに多大な影響を与えた建築家・デザイナーです。

1983
Strässle(ストラッセル)
ライセンス開始
モダンデザインへの情熱は止まることなく、武藤はカッシーナをはじめ、世界各国の優れたプロダクトのライセンス獲得に力を注ぎました。IMAGES OF AMERICA、SIMON、ZANOTTAなど、イタリアにとどまらず、スイスのSTRÄSSLEなど多様なブランドを紹介し、海外デザインの理念と美意識を日本の暮らしへと広げていきました。
LEONARDO
PAUL TUTTLE
ARCO
PAUL TUTTLE
1984
ZETTA
PAUL TUTTLE
1988
フィリップスタルクによる
チェアのデザイン
1988年、武藤は日本でプレゼンテーションを終えたフィリップ・スタルクに、面会の機会を得ました。プリンスホテルでの会食の席でデザインを依頼したところ、スタルクはその場にあったナプキンに2脚の椅子のスケッチを描きました。そのうちの一つを武藤が気に入り、三本脚のチェア〈OTTO ZITTE〉として発表するに至りました。もう一つのスケッチは、後に別の企業で商品化されています。
Philippe Starck
1949 –

パリ生まれ。18歳で事務所を設立し、カルダンのADを経てクラブやエリゼ宮、カフェ・コスタの内装で国際的評価を得る。

OTTO ZITTE
PHILIPPE STARCK
PHIL LIZNER
PHILIPPE STARCK
武藤が残したスタルクの逸話
武藤がフィリップ・スタルクに商業施設の設計を依頼したときのことです。打ち合わせの日、彼は三つのプランを抱えて現れました。

「ムッシュ・ムトウ、まずはこの一番通らない案から話しましょう」と、にやり。「クライアントってね、最初は文句を言いたいものなんですよ。だから、わざと一番通らない案を出すんです。それで散々議論して、少し疲れたころに二番目の案を出す。こっちは少し良くなっているから、だいぶ納得する。でも最後に、私が本当に気に入っている三番目の案を見せるんです。そうすると、皆『これがいちばんいい!』って言うんですよ」
彼の言葉通り、プレゼンは完璧に成功。

武藤はその場で「この人は天才だ」と感じたそうです。スタルクのデザイン力だけでなく、“人の心を読む”巧みさに、心底感服した瞬間でした。
1989
CASSINA SHOWROOM を
港区南青山のコレッツィオーネビルに開設
CASSINA SHOWROOM を
港区南青山のコレッツィオーネ
ビルに開設

1989年、カッシーナは南青山のコレッツィオーネビルにショールームを開設しました。この建物は建築家・安藤忠雄による設計で、円筒や直方体を組み合わせた立体構成が印象的な建築です。その建築美を背景に、マリオ・ベリーニ設計のショールームや空間提案を展開し、家具と建築が溶け合う体験空間を実現しました。

LA COLLEZIONE

倉俣史朗による
HAL シリーズを販売開始

インテリアデザイナーとして数多くの店舗設計を手がけながら、家具を“作品”として追求し続けた倉俣史朗。その類い稀な創造性に、武藤は強く魅了されました。倉俣のアート性とデザイン性に深く共鳴した武藤は、彼の家具をプロダクトとして世に届けるべく製品化を提案します。その想いに応え、倉俣の過去作品をもとに開発チームが検証を重ねた結果、1989年に「HAL2」チェア、「HAL3」カウンターチェア、「HAL1」「HAL2」テーブルが誕生しました。同年、六本木・AXISビルのショールーム全フロアを使い、倉俣の大規模な展覧会を開催。 武藤はその才能と感性に深い敬意を表し、デザインの可能性を広く世に伝えました。

HAL2 CHAIR
SHIRO KURAMATA
SHIRO KURAMATA
1934 – 1991

東京生まれ。
桑沢デザイン研究所卒業後に独立し、家具やインテリアで注目を集める。1981年メンフィス参加。1991年没。

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1990–2001

暮らしへの広がり

From Objects to Lifestyles

日本の住まいとライフスタイルは大きく変わり、家具は暮らしを形づくる存在として注目されました。
武藤は輸入販売にとどまらず、インテリアコンサルティングに取り組むことで、
「暮らしそのものをデザインする」という視点を切り拓きました。
その歩みは、やがてオリジナル家具の製作へと結実していきます。
日本の住まいとライフスタイルは大きく変わり、家具は暮らしを形づくる存在として注目されました。
武藤は輸入販売にとどまらず、インテリアコンサルティングに取り組むことで、
「暮らしそのものをデザインする」という視点を切り拓きました。
その歩みは、やがてオリジナル家具の製作へと結実していきます。
LE LAC HOTEL
designed by ANDRÉE PUTMAN
1990
RUE DE BAC シリーズ開始
I-D EDITION 第一号
RUE DU BAC
ANDRÉE PUTMAN
武藤はカザテックなどのプロジェクトを通してデザイナーとの自社のものづくりを本格的に始動します。その象徴となったのが、オリジナル家具シリーズ〈RUE DE BAC〉です。これは、初めて明確なMD戦略のもと、デザイナーに具体的な要望を伝えながら開発を進めたプロジェクトでした。輸入販売にとどまることなく、自らの視点で“今の日本にふさわしいモダンデザイン”を形にする試みとして誕生したのです。この〈RUE DE BAC〉の取り組みこそが、のちのIXCオリジナルコレクションの礎となり、ブランドとしての独自性を確立する第一歩となりました。
ANDRÉE PUTMAN
1925 – 2013

フランスを代表するインテリアデザイナー。ホテルからプロダクトまで幅広く手掛け、「ヴェルティゴ」コレクションなど独自の洗練されたスタイルで国際的評価を得た。

CASATEC × ANDRÉE PUTMANによる
ホテルのデザイン
CASATEC ×
ANDRÉE PUTMANによる
ホテルのデザイン
LE LAC HOTEL designed by ANDRÉE PUTMAN
LE LAC HOTEL designed by ANDRÉE PUTMAN
当時のデザインスケッチ
ル・ラック(LE LAC)は、アンドレ・プットマンが日本で初めて手がけたホテルプロジェクトです。 銀座のチャイニーズ・レストランでの協業をきっかけに始まりました。来日時の彼女は、昼は緻密な打ち合わせを行い、夜は原宿のクラブで朝まで踊り明かすほどエネルギッシュだったといいます。 その情熱が反映された空間は、青と銀を基調とする静謐で洗練された世界。カザテックはこのプロジェクトを通じて、国際的デザインと日本の感性を融合させた空間づくりの新たな可能性を提示しました。
1991
I-D EDITION
インハウスデザイン第一号
MATRIXテーブルの発想は、あるとき武藤がこぼした一言から始まりました。「椅子はさまざまに揃っているが、合わせるテーブルが当社には少ない。」その言葉に導かれるように、戸沢忠蔵氏から教わった素材〈DANWOOD〉を着想源に、“束ねて縦使いすれば、堅牢で、そして完璧にニュートラルなテーブルができる”―― そんな発想のもと、開発が始まります。こうして生まれたのが、インハウスデザインによる〈MATRIXテーブル〉。 サイズや仕上げ色を3週間で受注対応するという、まさに“インハウス”の精神を体現したプロダクトでした。
MATRIX
IXC R&D
I-D EDITIONの思想と
日本的モダンデザインの方向性
武藤は、日本の住宅や暮らしにおける“スタンダード”をつくるには、機能的であること、そして趣味性を排したシンプルな構造と構成が不可欠だと考えていました。彼が理想としたのは、間仕切りの多い従来の住宅ではなく、大きなワンルームのような空間に可動式の家具やパーテーションを用い、住み手が自らのライフスタイルに合わせて構成を変えられる住まい。この「空間と家具が一体で可変する」という発想こそ、後の〈I-D EDITION〉シリーズの設計思想につながっていきました。それは日本の“デュアル・カルチャー”を受け入れながら、新しい「日本のモダン」を模索する試みでもあったのです。
1992
I-D EDITIONから名作が続々と発表
I-D EDITIONから
名作が続々と発表
AIR FRAME 3001
DAVID CHIPPERFIELD
ロンドンを拠点に活動するデビッド・チッパーフィールドに、武藤は当初、青山三丁目の商業ビル改装を依頼しました。その端正でモダンな建築に深く感銘を受けた武藤は、「いつか自分の家も彼に頼みたい」と語るほど信頼を寄せていました。後にその関係から生まれたのが、〈AIR FRAME〉シリーズです。

チッパーフィールドは、航空機や鉄道車両の構造に使われるアルミの“ハニカムパネル”に着目。軽量かつ高強度という素材特性を活かし、極限まで直線的で構築的なフォルムを持つソファとテーブルをデザインしました。家具の構造美をそのまま見せる潔いデザインは、まさにチッパーフィールドの建築的アプローチを体現したものでした。〈AIR FRAME〉はインターデコールを代表するプロダクトとなり、輸入販売中心だった同社が“オリジナルデザインブランド”へと進化する転機を象徴するシリーズとなりました。
DAVID CHIPPERFIELD
1953 –

1953年ロンドン生まれ。フォスター事務所などを経て1984年に自身の事務所を設立。独自のモダニズムで知られ、世界文化賞などを受賞。

A-CHAIR 510
TADAO ANDO

北海道・トマムに安藤忠雄が設計した「水の教会」(1988)のためにデザインされたチェア〈A-CHAIR〉。武藤は結婚式の招待でこの教会を訪れた際、その椅子に一目惚れしたといいます。建築と家具が静かに調和する佇まいに深く魅了され、後に〈I-D EDITION〉のプロジェクトとして製品化を実現しました。建築と家具の関係を象徴するこの試みをきっかけに、国内の多くの建築家が〈I-D EDITION〉に参加し、協働によるオリジナルデザインの展開が広がっていきました。

TADAO ANDO
1941 –

1941年大阪生まれ。独学で建築を学び、1969年に事務所設立。住宅から公共施設まで手掛け、1995年プリツカー賞をはじめ数々の賞を受賞。

北海道・トマムに安藤忠雄が設計した「水の教会」(1988)のためにデザインされたチェア〈A-CHAIR〉。武藤は結婚式の招待でこの教会を訪れた際、その椅子に一目惚れしたといいます。建築と家具が静かに調和する佇まいに深く魅了され、後に〈I-D EDITION〉のプロジェクトとして製品化を実現しました。建築と家具の関係を象徴するこの試みをきっかけに、国内の多くの建築家が〈I-D EDITION〉に参加し、協働によるオリジナルデザインの展開が広がっていきました。

BRONX
MOTOMI KAWAKAMI

1984年、SKIPPER社から輸入販売していた川上元美氏デザインの〈BLITZ〉。 同社の事業終了により取り扱いができなくなったことから、武藤は「〈BLITZ〉のような椅子を自分たちの手でつくりたい」と考えました。 その想いに100%応えて頂き誕生したのが、オリジナルチェア〈BRONX〉です。構造美と快適性を兼ね備えた〈BRONX〉は、当時の〈I-D EDITION〉の方向性を象徴する一脚です。

MOTOMI KAWAKAMI
1940 –

兵庫県生まれ。東京藝大大学院修了後、マンジャロッティ事務所勤務を経て1971年にカワカミデザインルームを設立。

1984年、SKIPPER社から輸入販売していた川上元美氏デザインの〈BLITZ〉。 同社の事業終了により取り扱いができなくなったことから、武藤は「〈BLITZ〉のような椅子を自分たちの手でつくりたい」と考えました。 その想いに100%応えて頂き誕生したのが、オリジナルチェア〈BRONX〉です。構造美と快適性を兼ね備えた〈BRONX〉は、当時の〈I-D EDITION〉の方向性を象徴する一脚です。

OLIO
IXC R&D

〈OLIO〉チェアは、1993年にグッドデザイン金賞を受賞した名作。再生紙を熱で圧縮してつくった硬質パルプの座面と、金属のフレームを組み合わせ、ネジを使わず摩擦だけで支えるという独創的な構造が特徴です。2024年にはミラノのデザインミュージアムでも紹介され、30年たった今も新鮮な魅力を放ち続けています。

1994
群馬県桐生市に工場を開設
群馬県桐生市に自社工場を開設したのは、目指すデザインの家具づくりを本格的に推進するためでした。 多くの協力工場と連携を続けてきましたが、Cassinaライセンスや目指すデザインを具現化する為に、先進的でより一貫した生産体制を整えた工場を成立させることが必要だと考えたのです。成型モールドウレタン技術、ラミネート綿・バキューム裁断、綿縫製パーツシステム、CAM自動裁断、相互送りミシンによる設計通りのカバーパーツ、下張りパーツなど、“アッセンブル”して完成させる=いつだれが作っても高品質を保ち、いつでもメンテナンス出来る新しい生産技術の開発拠点として家具づくりを支えられるようになりました。
CARESSE
IXC R&D
1995
PHILIPPE HUREL 取扱開始
PHILIPPE HUREL
取扱開始
DIVA
PHILIPPE HUREL
NORMANDIE II
PHILIPPE HUREL
INWOOD
PHILIPPE HUREL
DIVA
PHILIPPE HUREL
NORMANDIEⅡ
PHILIPPE HUREL
INWOOD
PHILIPPE HUREL
その他の商品
・St.JAMES
・CHAIRMAN
・BOULOGNE
・GORDON
・GALA
・FABIO
・LAURA
・TUNE
2000
商号を(株)カッシーナ・インターデコール・ジャパンに変更

CATHERINE MEMMIと独占契約
商号を(株)カッシーナ・
インターデコール・
ジャパンに変更

CATHERINE MEMMIと
独占契約
事業拡大とブランド統一性を強める意図から、後に社名を 株式会社カッシーナ・インターデコール・ジャパン に変更しました。この名称には、輸入ブランド「カッシーナ」とインテリア文化を提案する「インターデコール」が融合した企業アイデンティティを明確にする意味が込められています。
MAKE UP
YASUO KONDO
YASUO KONDO
1950 –

東京生まれ。クラマタ事務所を経て1981年自身の事務所を設立。東証アローズなどを手掛け、教育や企業顧問も務め幅広く活動。

FARFALLA
MASAYUKI KUROKAWA
MASAYUKI KUROKAWA
1966 –

名工大・早大で博士課程修了。建築からプロダクトまで横断的に活動し、「物学」を提唱。デザイントープ運営や株式会社K設立など多角的に展開。

2001
本社を恵比寿南に移転
グエナエル・ニコラによる
BOOMRANG シリーズ発売開始
グエナエル・ニコラによる
BOOMRANG シリーズ
発売開始
BOOMERANG sofa
GWÉNAËL NICOLAS
BOOMERANG bench
GWÉNAËL NICOLAS
BOOMERANG sofa
GWÉNAËL NICOLAS
BOOMERANG bench
GWÉNAËL NICOLAS
〈BOOMERANG〉は、カッシーナの重厚なスタイルとは一線を画し、若い世代や新しい家族の暮らしにふさわしい軽やかさと柔軟さを追求したシリーズです。当時、武藤は「次世代の住まいには、もっとカジュアルで開放的なデザインが必要だ」と感じており、その想いから誕生したのがこの〈BOOMERANG〉でした。コンパクトな空間にも調和するシンプルな構成(=ワンピースモールド)と、使う人の生活に寄り添う機能性。それは、 “これからの暮らしに寄り添うデザイン”という新しい方向性を示したプロダクトでした。
GWÉNAËL NICOLAS
1966 –

1991年RCA卒業後に来日。フリーを経て1998年ESAGペニンゲン修了。
同年デザインオフィス「キュリオシティ」を設立。

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2002–2010

ブランドとしての飛躍

Establishing an Identity

2002年、社名をカッシーナ・イクスシーに改め、新たなスタートを切りました。
独自の視点で世界のデザインを紹介するとともに、オリジナルブランドの開発に力を注ぎました。
さらにミラノサローネ出展を通じ、日本から世界へと発信を広げていきました。
2002年、社名をカッシーナ・イクスシーに改め、新たなスタートを切りました。
独自の視点で世界のデザインを紹介するとともに、オリジナルブランドの開発に力を注ぎました。
さらにミラノサローネ出展を通じ、日本から世界へと発信を広げていきました。
SALONE DEL MOBILE.MILANO
— a space designed by PIERO LISSONI
2002
商号を(株)カッシーナ・イクスシーに変更

I-D EDITIONをIXC EDITIONに改名
商号を(株)カッシーナ・
イクスシーに変更

I-D EDITIONをIXC
EDITIONに改名
POSITION
KING & MIRANDA
ミラノを拠点に活動するキング&ミランダは、イギリス人とスペイン人によるデザインユニット。
スパニッシュ・モダンの情熱に、ブリティッシュ・デザインの知性と洗練を融合させた独自のスタイルで知られています。 武藤は、当時の市場に「デザイン性の高いマッサージチェアが存在しない」ことに不満を抱き、彼らに新しい発想での開発を依頼しました。当初は従来型のマッサージチェアに近い案でしたが、最終的には“ソファのような佇まいからマッサージチェアへ変形する”という革新的なデザインへと進化。暮らしの中に自然に溶け込む〈POSITION〉は、機能と美しさを兼ね備えたプロダクトとして、自社オリジナルデザインの新たな可能性を切り拓きました。
KING & MIRANDA
1975 –

1975年にペリー・キングとサンティアゴ・ミランダが設立。文化的背景を重視したデザイン哲学で国際的に活躍し、多くの受賞歴と展覧会歴を持つ。

2003
IXC EAST BY EASTWEST を発表
〈BOOMERANG〉シリーズの成功を経て、武藤は次の世代へ向けた新たなラインづくりに挑みました。生産拠点をアジアに求め、中国、マレーシアを経て、最終的にタイで優れた木工技術を持つ工場と出会います。そこで、役目を終え多くが廃棄されていたゴムの木に着目し、新たな家具シリーズ〈ixc. East by Eastwest〉が誕生しました。西洋のデザインに東洋の美意識を融合させ、求めやすい価格でありながらもデザインに妥協しない家具。それは、ボリュームゾーンに向けて上質な暮らしを提案する、武藤がかねてから思い描いていた世界の実現でした。
JASMIN
IXC R&D
BLOOM
IXC R&D
JASMIN
IXC R&D
BLOOM
IXC R&D
2004
創業者・武藤重遠逝去

ミラノサローネにixc EDITION を出展
創業者・武藤重遠逝去

ミラノサローネにIXC
EDITION を出展
designed by PIERO LISSONI
2004年、創業者・武藤重遠が逝去。晩年の武藤は「自社のオリジナル商品を世界へ発信したい。それができてこそ真のブランドだ」と語り、長年の夢であった海外発信に情熱を注いでいました。その想いを受け継ぎ、同年のミラノ・サローネでは〈ixc EDITION〉を出展。日本発のモダンデザインを世界に示す節目となりました。
AQUA CUBE
WARÕ KISHI
2005
安藤忠雄による
A.N-TABLE / CHAIRを発表
A.N-TABLE / CHAIR
TADAO ANDO
安藤忠雄の建築〈地中美術館〉で使用されたテーブルとチェアをもとに商品化された〈A.N-TABLE / CHAIR〉。 コンクリートや鉄など建築を構成する素材と響き合う静謐な佇まいが特徴です。 当時、安藤氏は「きっと売れないだろうから、自分のサインを入れたプレートを付ければ、みんな喜ぶぞ」と冗談めかして言ったといいます。その言葉とは裏腹に、〈A.N-TABLE / CHAIR〉は多くの支持を集め、建築と家具が一体となるデザインの象徴となりました。
2006
FLOAT
HARRI KOSKINEN
HARRI KOSKINEN
1970 –

フィンランド生まれ。
学生時代から活動を始め、「ブロックランプ」で注目を集める。イッタラのクリエイティブディレクターを務めるなど国際的に活躍。

MEMENTO
TONERICO
TONERICO
2002 –

米谷ひろし、君塚賢、増子由美の3人により結成されたデザイン事務所。建築、インテリアから家具、プロダクトに至るまで多岐にわたり活動。

2008
群馬県伊勢崎市に製造工場を新設
群馬県伊勢崎市に
製造工場を新設
群馬県桐生市から群馬県伊勢崎市に自社工場を移設しました。ブランドとして大きな飛躍を遂げたこの時期、生産拠点を拡充することで、より強固な製造体制と開発チームとの連携を確立しました。これにより、品質の安定化と新たなプロダクト開発のスピード向上を実現しています。
OZU未発表
VICO MAGISTRETTI
1980年代半ば、武藤はイタリアの巨匠ヴィコ・マジストレッティと出会いました。 初対面の印象は「静かで控えめだが、内に強い信念を秘めた人」。建築の話になると素材と光の関係を熱心に語り、家具の話では「人の暮らしに長く寄り添う形」を何より大切にしていました。二人が最初にともに取り組んだのは、代官山の住宅プロジェクトでした。マジストレッティは日本の生活文化を丁寧に観察し、畳の間や大谷石の壁といった要素を自然に溶け込ませながら、モダンで穏やかな空間をつくり上げました。その信頼関係の延長線上で生まれたのが、1986年のアームチェア〈OZU〉です。日本の精神とイタリアの理性が交差する造形で、座る人の視点が低く抑えられているのも特徴です。 その名は、“低い視点から人々の営みを映し出すことに生涯こだわり続けた”日本の映画監督・小津安二郎へのオマージュとして名づけられました。
VICO MAGISTRETTI
1920 – 2006

ミラノ生まれ。建築から家具まで幅広く手掛け、カッシーナでも活躍。MoMA収蔵多数、照明「エクリッセ」でコンパッソ・ドーロ賞を受賞。

2009
RITMO
IXC R&D
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2011–2024

変化とともに

Resilience and Reinvention

社会の変化の中で、改めて「デザインの意味」を見つめ直してきました。
震災後に求められた安心や心地よさ、環境意識の高まり、そして消費の二極化。
そうした時代の流れに向き合いながら、国内外のデザイナーとの協働やインハウスでの家具開発を通して、
「私たちらしい家具とは何か」を問い続けました。
社会の変化の中で、改めて「デザインの意味」を見つめ直してきました。
震災後に求められた安心や心地よさ、環境意識の高まり、そして消費の二極化。
そうした時代の流れに向き合いながら、国内外のデザイナーとの協働やインハウスでの家具開発を通して、
「私たちらしい家具とは何か」を問い続けました。
CASSINA IXC. SHOWROOM 3F
designed by GAMFRATESI
2011
BREATH
IXC R&D
FLOW
IXC R&D
2013
LINE
IXC R&D
CALM
IXC R&D
2015
RIM
IXC R&D
BROAD
IXC R&D
2016
国籍を超えたデザイナーの活躍
武藤がかつて語ったように、「いまやデザインのナショナリズムは終焉を迎えた」。
カッシーナの〈イ・マエストリ〉コレクションを彩った巨匠たちの中にも、イタリア人は数少ない。デザインとは、もはや国籍ではなく、思想と創造の交差点に生まれるもの――その視点こそ、開発の根幹に流れる精神でした。こうした考えのもと、ixc. EDITIONはコロンビア出身のデザイナー、ロドリゴ・トーレスとの協業を開始。ラテン的な情熱と理性的な構築美を併せ持つ彼のデザインは新たな展開を象徴する重要な試みとなりました。
TANT-TANT
KANJI UEKI
KANJI UEKI
1945 –

東京生まれ。
慶應義塾大学卒業後イタリアで経験を積み、19年にカザッポアンドアソシエイツを設立。

MEMBRANE
RODORIGO TORRES
RODORIGO TORRES
1966 –

ミラノ生まれ。
1988年に自身のスタジオを設立し、インテリアからプロダクトまで幅広く活動。コンパッソ・ドーロをはじめ国際的なデザイン賞を多数受賞。

2017
カッシーナ・イクスシー青山本店リニューアル|
DELL’ARTE(デラルテ)オープン
カッシーナ・イクスシー
青山本店リニューアル|
DELL’ARTE(デラルテ)オープン
2017年、青山本店を全面リニューアルし、業界初となる常設ギャラリー〈DELL’ARTE(デラルテ)〉を2階に開設しました。
約70㎡の空間に常時300点ほどのアート作品をストックし、家具・照明・ラグ・ファブリックなどとともに、暮らしを彩るトータルデザインを提案します。「アート(芸術)」と同時に「技術」を意味する〈DELL’ARTE〉という名のもと、インテリアの枠を越えて“楽しみの技術”を共有する場所として誕生し、さらに豊かな空間提案のための新たな拠点となりました。
2018
WATT WOOD
IXC R&D
HO-EN
CHUZO TOZAWA
CHUZO TOZAWA
1944 –

青森県生まれ。老舗家具工房を経て1977年独立。宮殿や迎賓館、国会議事堂から高級ホテルまで、特注家具や内装を手掛け高い評価を得る。

2019
フランチェスコ・ロタとの協業開始
フランチェスコ・ロタとの
協業開始
FORO
FRANCESCO ROTA
より多様化するニーズに応えるため、イタリア人デザイナーのフランチェスコ・ロターとの協業がスタートしました。 ixc. EDITIONのためにデザインされた〈FORO〉ソファは、住宅からコントラクト空間まで幅広く対応するモジュラータイプとして開発されました。自由に再構成できる構造と、やわらかな造形が特徴です。
名称の〈FORO〉は、古代ローマ時代の「人々が集い語らう広場(フォロ)」に由来し、「人と人とが時間を共有する場所でありたい」というロターの想いが込められています。
FRANCESCO ROTA
1966 –

ミラノ生まれ。
1988年に自身のスタジオを設立し、インテリアからプロダクトまで幅広く活動。コンパッソ・ドーロをはじめ国際的なデザイン賞を多数受賞。

2020
BIRD
IXC R&D
2024
カッシーナ・イクスシー青山本店3Fを
リニューアルオープン
カッシーナ・イクスシー
青山本店3Fを
リニューアルオープン
青山本店3階フロアを「Re-imagined(リ・イマジンド)」をテーマにリニューアル。
アートディレクターにGamFratesi(ガムフラテージ)を迎え、各ブランドの世界観を表現する新たな展示構成へと刷新しました。
リニューアル後の3階(862㎡)では、オリジナルブランドとセレクトブランドを中心に、素材やスタイルの異なる多様な空間提案を展開。3階の刷新は、1・2階のカッシーナ空間と明確に差別化を図りつつ、各ブランドの新章を象徴する取り組みとなりました。
LA BECQUE
WATARU KUMANO
WATARU KUMANO
1980 –

プロダクトデザイナー。
フィンランド留学後ジャスパー・モリソンに師事し、2011年に“kumano”設立。国内外のメーカーと協働し、教育活動にも携わる。

SYNC SOFA & BENCH
KEITA SUZUKI & PRODUCT DESIGN CENTER
KEITA SUZUKI &
PRODUCT
DESIGN CENTER

プロダクトデザイナー/
クリエイティブディレクター。
日用品から伝統工芸、最新技術まで幅広く手掛け、美意識と機能性を融合したデザインを国内外で展開。

SEPION
FRANCESCO ROTA
BRIDGE
IXC R&D

2025–

未来への章
“Emotional Minimalism”

2025年、カッシーナ・イクスシーは新たな時代へと踏み出します。
GamFratesi(ガムフラテージ)をアートディレクターに迎え、オリジナルブランドを「IXC」としてリブランディングしました。
50年の歩みを礎に、IXCは「Emotional Minimalism」を掲げ、
静けさに宿る感情や、時をかけて心に響く豊かさを家具と空間で表現し、
国境を越えたつながりと未来の調和を育んでいきます。
2025年、カッシーナ・イクスシーは新たな時代へと踏み出します。
GamFratesi(ガムフラテージ)をアートディレクターに迎え、
オリジナルブランドを「IXC」としてリブランディングしました。

50年の歩みを礎に、IXCは
「Emotional Minimalism」を掲げ、
静けさに宿る感情や、
時をかけて心に響く豊かさを
家具と空間で表現し、
国境を越えたつながりと
未来の調和を育んでいきます。
GAMFRATESI
2006 –

2006年設立、コペンハーゲン拠点のデザインスタジオ。デンマークのクラフトとイタリアの知的感性を融合し、伝統を尊重しつつ独自の物語を宿すミニマルな家具を創造する。