時代を超えるデザインと革新の精神
—IXC誕生に至る50年の歩み
時代を超える
デザインと革新の精神
—IXC誕生に至る50年の歩み
「“コネッスール” とは“目利き”や“選択眼のある人”のこと。
家具は手軽に買い換えられるものではない。
じっくり時間をかけて選び、
その過程を楽しむことが、コネッスールになる方法だろう。」
—— 武藤重遠
「“コネッスール” とは“目利き”や“選択眼のある人”のこと。家具は手軽に買い換えられるものではない。じっくり時間をかけて選び、その過程を楽しむことが、コネッスールになる方法だろう。」
—— 武藤重遠

カッシーナ・イクスシー創業者。
慶應義塾大卒業後、1975年インテ
リアビジネスを開始。2004年没。
カッシーナ・イクスシー創業者。
慶應義塾大卒業後、1975年インテ
リアビジネスを開始。2004年没。
IXC(イクスシー)への物語は、
「デザインは暮らしを豊かにする文化である」という創業者・武藤重遠の信念から始まりました。
彼はヨーロッパの優れたデザインを日本に紹介し、
マリオ・ベリーニやフィリップ・スタルクら世界的デザイナーと深い絆を築きました。
ここに、国境を超えた創造の対話が芽生えます。
IXC(イクスシー)への物語は、「デザインは暮らしを豊かにする文化である」という創業者・武藤重遠の信念から始まりました。彼はヨーロッパの優れたデザインを日本に紹介し、マリオ・ベリーニやフィリップ・スタルクら世界的デザイナーと深い絆を築きました。ここに、国境を超えた創造の対話が芽生えます。
1975–1989
モダンデザインへの挑戦
Foundations of Modern Living
それは単なる輸入ではなく、未来の暮らしを形づくる文化的な試みでもありました。
世界的デザイナーたちとの交流は、
「自由に未来をデザインする精神」を日本の暮らしに息づかせていきました。

designed by MARIO BELLEINI
1975
武藤重遠が「旭交易(株)インテリア分室」として
輸入家具ビジネスを開始
武藤重遠が
輸入家具ビジネスを開始
・MOBEL ITALIA
・CINOVA
・SIMON INTERNATIONAL
・ZANOTTA
・BONACINA




1977
Cassina S.p.A と日本での取扱い基本合意
Cassina S.p.A と日本での
取扱い基本合意


1980
株式会社カザテックとして
デザインコンサルティング業を開始
株式会社カザテックとして
デザインコンサルティング業
を開始

1981
インターデコールショールームを
AXISビルへ移転
インターデコール
ショールームを
AXISビルへ移転


1935 –
1935年、イタリア・ミラノ生まれ。オリベッティ社やカッシーナ社などで数々の名作を手がけ、建築・家具・照明といった幅広い分野で現代デザインに多大な影響を与えた建築家・デザイナーです。
1983
Strässle(ストラッセル)
ライセンス開始




1984


1988
フィリップスタルクによる
チェアのデザイン

1949 –
パリ生まれ。18歳で事務所を設立し、カルダンのADを経てクラブやエリゼ宮、カフェ・コスタの内装で国際的評価を得る。


武藤が残したスタルクの逸話
「ムッシュ・ムトウ、まずはこの一番通らない案から話しましょう」と、にやり。「クライアントってね、最初は文句を言いたいものなんですよ。だから、わざと一番通らない案を出すんです。それで散々議論して、少し疲れたころに二番目の案を出す。こっちは少し良くなっているから、だいぶ納得する。でも最後に、私が本当に気に入っている三番目の案を見せるんです。そうすると、皆『これがいちばんいい!』って言うんですよ」
彼の言葉通り、プレゼンは完璧に成功。
武藤はその場で「この人は天才だ」と感じたそうです。スタルクのデザイン力だけでなく、“人の心を読む”巧みさに、心底感服した瞬間でした。
1989
CASSINA SHOWROOM を
港区南青山のコレッツィオーネビルに開設
CASSINA SHOWROOM を
港区南青山のコレッツィオーネ
ビルに開設
1989年、カッシーナは南青山のコレッツィオーネビルにショールームを開設しました。この建物は建築家・安藤忠雄による設計で、円筒や直方体を組み合わせた立体構成が印象的な建築です。その建築美を背景に、マリオ・ベリーニ設計のショールームや空間提案を展開し、家具と建築が溶け合う体験空間を実現しました。
倉俣史朗による
HAL シリーズを販売開始
インテリアデザイナーとして数多くの店舗設計を手がけながら、家具を“作品”として追求し続けた倉俣史朗。その類い稀な創造性に、武藤は強く魅了されました。倉俣のアート性とデザイン性に深く共鳴した武藤は、彼の家具をプロダクトとして世に届けるべく製品化を提案します。その想いに応え、倉俣の過去作品をもとに開発チームが検証を重ねた結果、1989年に「HAL2」チェア、「HAL3」カウンターチェア、「HAL1」「HAL2」テーブルが誕生しました。同年、六本木・AXISビルのショールーム全フロアを使い、倉俣の大規模な展覧会を開催。 武藤はその才能と感性に深い敬意を表し、デザインの可能性を広く世に伝えました。


1934 – 1991
東京生まれ。
桑沢デザイン研究所卒業後に独立し、家具やインテリアで注目を集める。1981年メンフィス参加。1991年没。
1990–2001
暮らしへの広がり
From Objects to Lifestyles
武藤は輸入販売にとどまらず、インテリアコンサルティングに取り組むことで、
「暮らしそのものをデザインする」という視点を切り拓きました。
その歩みは、やがてオリジナル家具の製作へと結実していきます。
武藤は輸入販売にとどまらず、インテリアコンサルティングに取り組むことで、
「暮らしそのものをデザインする」という視点を切り拓きました。
その歩みは、やがてオリジナル家具の製作へと結実していきます。

designed by ANDRÉE PUTMAN
1990
RUE DE BAC シリーズ開始
I-D EDITION 第一号


1925 – 2013
フランスを代表するインテリアデザイナー。ホテルからプロダクトまで幅広く手掛け、「ヴェルティゴ」コレクションなど独自の洗練されたスタイルで国際的評価を得た。
CASATEC × ANDRÉE PUTMANによる
ホテルのデザイン
CASATEC ×
ANDRÉE PUTMANによる
ホテルのデザイン


1991
I-D EDITION
インハウスデザイン第一号

I-D EDITIONの思想と
日本的モダンデザインの方向性
1992
I-D EDITIONから名作が続々と発表
I-D EDITIONから
名作が続々と発表
チッパーフィールドは、航空機や鉄道車両の構造に使われるアルミの“ハニカムパネル”に着目。軽量かつ高強度という素材特性を活かし、極限まで直線的で構築的なフォルムを持つソファとテーブルをデザインしました。家具の構造美をそのまま見せる潔いデザインは、まさにチッパーフィールドの建築的アプローチを体現したものでした。〈AIR FRAME〉はインターデコールを代表するプロダクトとなり、輸入販売中心だった同社が“オリジナルデザインブランド”へと進化する転機を象徴するシリーズとなりました。

1953 –
1953年ロンドン生まれ。フォスター事務所などを経て1984年に自身の事務所を設立。独自のモダニズムで知られ、世界文化賞などを受賞。

北海道・トマムに安藤忠雄が設計した「水の教会」(1988)のためにデザインされたチェア〈A-CHAIR〉。武藤は結婚式の招待でこの教会を訪れた際、その椅子に一目惚れしたといいます。建築と家具が静かに調和する佇まいに深く魅了され、後に〈I-D EDITION〉のプロジェクトとして製品化を実現しました。建築と家具の関係を象徴するこの試みをきっかけに、国内の多くの建築家が〈I-D EDITION〉に参加し、協働によるオリジナルデザインの展開が広がっていきました。

1941 –
1941年大阪生まれ。独学で建築を学び、1969年に事務所設立。住宅から公共施設まで手掛け、1995年プリツカー賞をはじめ数々の賞を受賞。
北海道・トマムに安藤忠雄が設計した「水の教会」(1988)のためにデザインされたチェア〈A-CHAIR〉。武藤は結婚式の招待でこの教会を訪れた際、その椅子に一目惚れしたといいます。建築と家具が静かに調和する佇まいに深く魅了され、後に〈I-D EDITION〉のプロジェクトとして製品化を実現しました。建築と家具の関係を象徴するこの試みをきっかけに、国内の多くの建築家が〈I-D EDITION〉に参加し、協働によるオリジナルデザインの展開が広がっていきました。

1984年、SKIPPER社から輸入販売していた川上元美氏デザインの〈BLITZ〉。 同社の事業終了により取り扱いができなくなったことから、武藤は「〈BLITZ〉のような椅子を自分たちの手でつくりたい」と考えました。 その想いに100%応えて頂き誕生したのが、オリジナルチェア〈BRONX〉です。構造美と快適性を兼ね備えた〈BRONX〉は、当時の〈I-D EDITION〉の方向性を象徴する一脚です。

1940 –
兵庫県生まれ。東京藝大大学院修了後、マンジャロッティ事務所勤務を経て1971年にカワカミデザインルームを設立。
1984年、SKIPPER社から輸入販売していた川上元美氏デザインの〈BLITZ〉。 同社の事業終了により取り扱いができなくなったことから、武藤は「〈BLITZ〉のような椅子を自分たちの手でつくりたい」と考えました。 その想いに100%応えて頂き誕生したのが、オリジナルチェア〈BRONX〉です。構造美と快適性を兼ね備えた〈BRONX〉は、当時の〈I-D EDITION〉の方向性を象徴する一脚です。

〈OLIO〉チェアは、1993年にグッドデザイン金賞を受賞した名作。再生紙を熱で圧縮してつくった硬質パルプの座面と、金属のフレームを組み合わせ、ネジを使わず摩擦だけで支えるという独創的な構造が特徴です。2024年にはミラノのデザインミュージアムでも紹介され、30年たった今も新鮮な魅力を放ち続けています。
1994
群馬県桐生市に工場を開設


1995
PHILIPPE HUREL 取扱開始
PHILIPPE HUREL
取扱開始



・St.JAMES
・CHAIRMAN
・BOULOGNE
・GORDON
・GALA
・FABIO
・LAURA
・TUNE
2000
商号を(株)カッシーナ・インターデコール・ジャパンに変更
CATHERINE MEMMIと独占契約
商号を(株)カッシーナ・
インターデコール・
ジャパンに変更
CATHERINE MEMMIと
独占契約


1950 –
東京生まれ。クラマタ事務所を経て1981年自身の事務所を設立。東証アローズなどを手掛け、教育や企業顧問も務め幅広く活動。


1966 –
名工大・早大で博士課程修了。建築からプロダクトまで横断的に活動し、「物学」を提唱。デザイントープ運営や株式会社K設立など多角的に展開。
2001
本社を恵比寿南に移転
グエナエル・ニコラによる
BOOMRANG シリーズ発売開始
グエナエル・ニコラによる
BOOMRANG シリーズ
発売開始



1966 –
1991年RCA卒業後に来日。フリーを経て1998年ESAGペニンゲン修了。
同年デザインオフィス「キュリオシティ」を設立。
2002–2010
ブランドとしての飛躍
Establishing an Identity
独自の視点で世界のデザインを紹介するとともに、オリジナルブランドの開発に力を注ぎました。
さらにミラノサローネ出展を通じ、日本から世界へと発信を広げていきました。
独自の視点で世界のデザインを紹介するとともに、オリジナルブランドの開発に力を注ぎました。
さらにミラノサローネ出展を通じ、日本から世界へと発信を広げていきました。

— a space designed by PIERO LISSONI
2002
商号を(株)カッシーナ・イクスシーに変更
I-D EDITIONをIXC EDITIONに改名
商号を(株)カッシーナ・
イクスシーに変更
I-D EDITIONをIXC
EDITIONに改名


スパニッシュ・モダンの情熱に、ブリティッシュ・デザインの知性と洗練を融合させた独自のスタイルで知られています。 武藤は、当時の市場に「デザイン性の高いマッサージチェアが存在しない」ことに不満を抱き、彼らに新しい発想での開発を依頼しました。当初は従来型のマッサージチェアに近い案でしたが、最終的には“ソファのような佇まいからマッサージチェアへ変形する”という革新的なデザインへと進化。暮らしの中に自然に溶け込む〈POSITION〉は、機能と美しさを兼ね備えたプロダクトとして、自社オリジナルデザインの新たな可能性を切り拓きました。

1975 –
1975年にペリー・キングとサンティアゴ・ミランダが設立。文化的背景を重視したデザイン哲学で国際的に活躍し、多くの受賞歴と展覧会歴を持つ。
2003
IXC EAST BY EASTWEST を発表




2004
創業者・武藤重遠逝去
ミラノサローネにixc EDITION を出展
創業者・武藤重遠逝去
ミラノサローネにIXC
EDITION を出展


2005
安藤忠雄による
A.N-TABLE / CHAIRを発表

2006

1970 –
フィンランド生まれ。
学生時代から活動を始め、「ブロックランプ」で注目を集める。イッタラのクリエイティブディレクターを務めるなど国際的に活躍。

2002 –
米谷ひろし、君塚賢、増子由美の3人により結成されたデザイン事務所。建築、インテリアから家具、プロダクトに至るまで多岐にわたり活動。
2008
群馬県伊勢崎市に製造工場を新設
群馬県伊勢崎市に
製造工場を新設



1920 – 2006
ミラノ生まれ。建築から家具まで幅広く手掛け、カッシーナでも活躍。MoMA収蔵多数、照明「エクリッセ」でコンパッソ・ドーロ賞を受賞。
2009

2011–2024
変化とともに
Resilience and Reinvention
震災後に求められた安心や心地よさ、環境意識の高まり、そして消費の二極化。
そうした時代の流れに向き合いながら、国内外のデザイナーとの協働やインハウスでの家具開発を通して、
「私たちらしい家具とは何か」を問い続けました。
震災後に求められた安心や心地よさ、環境意識の高まり、そして消費の二極化。
そうした時代の流れに向き合いながら、国内外のデザイナーとの協働やインハウスでの家具開発を通して、
「私たちらしい家具とは何か」を問い続けました。

designed by GAMFRATESI
2011


2013


2015


2016
国籍を超えたデザイナーの活躍
カッシーナの〈イ・マエストリ〉コレクションを彩った巨匠たちの中にも、イタリア人は数少ない。デザインとは、もはや国籍ではなく、思想と創造の交差点に生まれるもの――その視点こそ、開発の根幹に流れる精神でした。こうした考えのもと、ixc. EDITIONはコロンビア出身のデザイナー、ロドリゴ・トーレスとの協業を開始。ラテン的な情熱と理性的な構築美を併せ持つ彼のデザインは新たな展開を象徴する重要な試みとなりました。


1945 –
東京生まれ。
慶應義塾大学卒業後イタリアで経験を積み、19年にカザッポアンドアソシエイツを設立。


1966 –
ミラノ生まれ。
1988年に自身のスタジオを設立し、インテリアからプロダクトまで幅広く活動。コンパッソ・ドーロをはじめ国際的なデザイン賞を多数受賞。
2017
カッシーナ・イクスシー青山本店リニューアル|
DELL’ARTE(デラルテ)オープン
カッシーナ・イクスシー
青山本店リニューアル|
DELL’ARTE(デラルテ)オープン
約70㎡の空間に常時300点ほどのアート作品をストックし、家具・照明・ラグ・ファブリックなどとともに、暮らしを彩るトータルデザインを提案します。「アート(芸術)」と同時に「技術」を意味する〈DELL’ARTE〉という名のもと、インテリアの枠を越えて“楽しみの技術”を共有する場所として誕生し、さらに豊かな空間提案のための新たな拠点となりました。
2018



1944 –
青森県生まれ。老舗家具工房を経て1977年独立。宮殿や迎賓館、国会議事堂から高級ホテルまで、特注家具や内装を手掛け高い評価を得る。
2019
フランチェスコ・ロタとの協業開始
フランチェスコ・ロタとの
協業開始

名称の〈FORO〉は、古代ローマ時代の「人々が集い語らう広場(フォロ)」に由来し、「人と人とが時間を共有する場所でありたい」というロターの想いが込められています。

1966 –
ミラノ生まれ。
1988年に自身のスタジオを設立し、インテリアからプロダクトまで幅広く活動。コンパッソ・ドーロをはじめ国際的なデザイン賞を多数受賞。
2020

2024
カッシーナ・イクスシー青山本店3Fを
リニューアルオープン
カッシーナ・イクスシー
青山本店3Fを
リニューアルオープン

リニューアル後の3階(862㎡)では、オリジナルブランドとセレクトブランドを中心に、素材やスタイルの異なる多様な空間提案を展開。3階の刷新は、1・2階のカッシーナ空間と明確に差別化を図りつつ、各ブランドの新章を象徴する取り組みとなりました。


1980 –
プロダクトデザイナー。
フィンランド留学後ジャスパー・モリソンに師事し、2011年に“kumano”設立。国内外のメーカーと協働し、教育活動にも携わる。


PRODUCT
DESIGN CENTER
プロダクトデザイナー/
クリエイティブディレクター。
日用品から伝統工芸、最新技術まで幅広く手掛け、美意識と機能性を融合したデザインを国内外で展開。


2025–
未来への章
“Emotional Minimalism”
GamFratesi(ガムフラテージ)をアートディレクターに迎え、オリジナルブランドを「IXC」としてリブランディングしました。
50年の歩みを礎に、IXCは「Emotional Minimalism」を掲げ、
静けさに宿る感情や、時をかけて心に響く豊かさを家具と空間で表現し、
国境を越えたつながりと未来の調和を育んでいきます。
GamFratesi(ガムフラテージ)をアートディレクターに迎え、
オリジナルブランドを「IXC」としてリブランディングしました。
50年の歩みを礎に、IXCは
「Emotional Minimalism」を掲げ、
静けさに宿る感情や、
時をかけて心に響く豊かさを
家具と空間で表現し、
国境を越えたつながりと
未来の調和を育んでいきます。

2006 –
2006年設立、コペンハーゲン拠点のデザインスタジオ。デンマークのクラフトとイタリアの知的感性を融合し、伝統を尊重しつつ独自の物語を宿すミニマルな家具を創造する。